保育園や認定こども園の建設費とは、新しく保育園や認定こども園を開業する際、園舎を建設、またはビル内のテナントとして内装を工事するために必要となる費用です。保育園を開業するためには、初期段階で建設費用の予算感を掴んだうえで、将来計画を立てる事が求められます。

保育園開業コンサルタントの支援を受けて概算工事費を考慮していても、建設のプロではないため、建設市場の相場や求めているグレード感を反映していなかったり、こだわりを実現するために予算不足となってしまうこともありえます。

この記事では、保育園・認定こども園の建設費の概要、平米単価・坪単価などの用語解説や算出方法、開業資金に対する建設費の割合、こだわりを予算内で実現するためのポイント、実際の保育園の建設費用の事例などを網羅的に紹介しています。

保育園・認定こども園の建設費とは?

保育園・認定こども園の建設費とは、新しく保育園や認定こども園を開業する際、園舎を建設、またはビル内のテナントとして内装を工事するために必要となる費用です。

主な建設費として、園舎建物の工事費や内装の費用、外構・園庭等の整備費用などがあげられます。また、土地を所有していない場合には、建設に関連する費用として土地の購入費用などが発生します。

土地に関連する費用は、保育園の事業費に占める割合が大きいため、この記事では通常の建設費に加えて土地に関連する費用についても相場や事例を紹介します。

園舎は、園の保育理念や先生方の想いを実現するために、必要不可欠なものです。園舎の建設のために、どのような時点でどの程度の費用が発生しているかを理解することは、保育園全体の運営を考えるうえでも、重要なポイントになります。

建築費の算出方法である平米単価・坪単価とは

建物の建設費・工事費を算出する目安となる指標として、「平米(㎡)単価」と「坪単価」の2つがあげられます。平米単価・坪単価同士を比べることで、建物の建設費を比較することができます。また、平米単価・坪単価に保育園を建設する面積を掛けることで、総工事費がおおよそいくら必要かを確認することができます。

「平米単価」とは、1平米(1㎡)あたりの建設費のことです。建設費に関する統計情報などには、平米単価が使用される傾向にあります。

「坪単価」とは、1坪(3.3㎡)あたりの建設費のことです。日本では、建設費や工事費を算出する際、一般的には坪単価を用います。この記事では、参照した統計資料が平米単価であるものを除いて、坪単価を使用して保育園の建設費についてご紹介しています。

保育園・認定こども園の建設費の相場・目安とは

保育園・認定こども園の適正な建設費は、子どもの定員に合わせて適切とされている園舎の広さ(延べ床面積)によって変動します。一般的な保育園・認定こども園の建設費の相場をもとに、計画中の園舎の工事費の目安を掴むことで、資金計画が立てやすくなります。

独立行政法人福祉医療機構の調査では、首都圏での保育園・認定こども園の建設費の平米単価の平均は42.4万円(坪単価に換算すると約140万円)、また定員1人あたりに必要とされる延べ床面積は8.5㎡となっています(福祉医療機構 「2020年度(令和2年度)福祉・医療施設の建設費について」より)。定員ごとに必要となる保育園・認定こども園の建設費予算を算出すると、次のようになります。

子どもの定員必要な延べ床面積建設費
60人510㎡2億1,624万円
80人680㎡2億8,832万円
100人850㎡4億2,400万円
※独立行政法人福祉医療機構「2020年度 福祉・医療施設の建設費について」を元にoffice EAが作成

絵本コーナーや創作室など、より豊かな保育環境のための部屋を作りたいといった、こだわりのある保育園を建設したい場合、上記の相場での予算内では収まらない可能性が高くなります。実際には、上記の相場に2割程度プラスして予算化することをおすすめします。

また、近年は材料費の高騰などによって建設費の高騰が続いています。近年の工事費相場を参考にしつつ、開園予定年度を見越して増額した金額で予算を検討するようにしましょう。

保育施設の開園資金における建設費の内訳

開園に必要な資金として、建物本体の工事費に加え、土地の購入費や備品購入費などが含まれます。これらの内訳の項目を掴むことで、支出項目に漏れが無くなり、正確な資金計画を立てることに繋がります。

次の表は、土地を購入して開園する場合と、テナントとして既存ビル内に開園する場合の2パターンの、建物本体の建設費とその他必要な費用の内訳と費用の目安を紹介します。開園資金の目安にしてみてください。

土地を購入して保育園・認定こども園を新築する場合は、一般的な規模である延べ床面積600㎡、敷地面積100坪(約330㎡)の場合で試算しています。

土地を購入して新築する場合

項目概要費用の目安建設費全体における割合
建設費建物本体工事費、外構や園庭の整備費用約2億4,000万円(延べ床面積600㎡、平米単価約40万円の場合)約80%
不動産取得費土地の購入費用
・土地代
・諸経費
  印紙代
  登記費用
  不動産取得税
  仲介手数料
  司法書士報酬
7,000万円+約350万円(諸経費)
(坪70万円のエリアに、100坪の土地を購入した場合の例)
約20%
宣伝広告費開園に際し、園児や保育士を集めるためのパンフレットや新規ホームページ作成費用約20~50万円約1%以下
備品・消耗品費おもちゃやコピー機、ロッカーなど、開園前にそろえる必要があるもの約300万円約1%
合計3億1,680万円

テナントとして既存建物の中に保育園・認定こども園を建設する場合は、一般的な規模である園児の定員60人とした場合の開園資金の目安をご紹介します。

テナントとして既存建物の中に建設する場合(園児60人の保育園の例)

項目概要費用の目安全体における割合(初期費用として)
建設費(内装工事費)内装の工事費約1億円

内訳 建築工事:5,000万円 
設備工事:5,000万円
90%
宣伝広告費開園に際し、園児や保育士を集めるためのパンフレットや新規ホームページ作成費用約10~30万円1%
備品・消耗品費おもちゃやコピー機、ロッカーなど、開園前にそろえる必要があるもの約300万円10%
合計約1億330万円

保育園・認定こども園の建設費用の内訳や概要を紹介

保育園・認定こども園の建設費用には、土地購入時や建築時など、段階ごとにさまざまな費用が発生します。そのため、開園資金や建設費の予算を検討する段階で、いくつかの費用が項目から漏れてしまう可能性があります。事前に建設費用の内訳を把握しておくことで、予算配分がスムーズに行うことができます。

たとえば、土地を買う段階では、土地代金だけでなく、登録免許税や仲介手数料が掛かります。また、新園舎を建設する段階では、旧園舎の解体費用も必要となる場合があります。

ここでは、土地購入段階、設計段階、建設段階、開園準備段階において、どのような内訳の費用が掛かるかを紹介します。各内訳の費用は、office EAの過去の実績をもとに目安を紹介しています。

土地購入時の費用

土地を購入する場合、土地代金の他に、諸費用として土地売買価格の約5%程度がかかると言われています。諸費用には、印紙代や登録免許税、不動産取得税、不動産会社の仲介手数料、司法書士への報酬などが含まれます。

実際の土地価格については、不動産情報サイトなどで検索すると、建設希望エリアの相場の坪単価を把握することができますので、「必要な面積(坪数)x坪単価相場」で、おおよその土地価格を算出できます。

項目概要費用の目安
土地価格土地自体の値段数千万円
印紙代不動産売買契約書に必要な税金数万円
登録免許税土地の所有者が変わった場合に所有権移転登記を行う際に必要な税金固定資産税評価額x1.5%(固定資産税評価額は、実勢価格の約70%が目安)
不動産取得税土地取得時に掛かる税金評価額x0.5x0.03
仲介手数料土地を仲介してくれた不動産会社に支払う費用土地代金x3%+6万円
司法書士報酬司法書士に支払う費用約30万円

園舎建物の費用

園舎建物の建設費用には、新園舎の建物本体の建設費の他に、仮園舎の建設費、旧園舎の解体費用などが発生します。建物が完成した段階では、建物表題登記の費用が掛かります。

現在の園舎が建つ場所に新しく園舎を建設する場合、仮園舎を建設してから旧園舎を解体し、その後新園舎の建設を行います。仮園舎は、通常の建物と同様に自治体保育課の審査が行われるため、内装や設備などの仕様は本園舎と同程度のものが求められます。

仮園舎で使用した便器やエアコンを新園舎で利用したいという要望をよく聞きますが、移設期間中はトイレが使えないなどの不便が生じるため、運営スケジュール上、移設は難しいと言えます。

また、解体費用については、解体する建物の構造が木造か鉄骨かなどによっても変化します。1坪あたり、木造で約3〜4万円、鉄骨造で約4〜6万円、RC造で約5〜8万円となります。

項目概要費用の目安
建設費(新園舎)建物建設の工事費。空調や電気工事、園庭工事費も含まれる約2億4,000万円(延べ床面積600㎡、平米単価約40万円の場合)
建設費(仮園舎)現園舎と同じ場所に新園舎を建て替える場合に必要となる、仮園舎を建設するための費用新園舎建設費の約50%~60%(内装や設備費用は、新園舎と同程度必要)
解体費用現園舎を解体する費用。木造か鉄骨かRCかによって費用が異なる木造:約3~4万円/坪
坪鉄骨:約4~6万円/坪
RC:約5~8万円/坪
建物表題登記建物を新築(購入)した場合に行う法的手続きに必要な費用約10万円
消費税建築費や解体費、司法書士などに支払う金額の10%金額x10%

設計に関する費用

新しく園舎を建設する場合、建築の設計・監理にも費用が発生します。設計とは建設のために図面を作成する業務です。監理とは、工事段階で設計図通りに建設会社が工事を行っているかの確認をする業務です。いずれも設計を依頼した建築設計事務所などに費用を支払います。

また、設計に関する費用として、事前に敷地の土壌などを調査するため、ボーリング調査費や土壌調査費が発生します。

ボーリング調査費用は、建物が建つ地面の中の状態を調査する費用です。柔らかい地盤の土地の場合は、重い建物が沈下したりしないような基礎の設計をしなくてはなりませんので、地盤の状態を知ることは安全な園舎作りの基本となります。

土壌調査とは、土に有害な成分が含まれているかどうかを調べる調査です。有害成分が含まれている場合は、一定の深さの土を入れ替える等の方策をとります。子どもの安全と共に、保護者の安心や説明にも大切な調査となります。

園舎が完成すると、確認申請費用と完了検査費用が発生します。確認申請費用とは、法的に適切な設計が行なわれているかどうかを、役所や審査機関が判断する際に掛かる費用で、完了検査費用とは、建物が完成した際に、法的に適切な建物が完成したかの検査に掛かる費用です。

設計費用だけでなく、設計の前後に発生する費用が複数ありますので、予算を検討する際には注意が必要です。

項目概要費用の目安
建築設計・監理費設計図作成と現場監理業務に必要となる費用建設費の7~10%
ボーリング調査費地面の中の状態を調査する際に必要となる費用約50万円
土壌調査費用土の中の有害物質の有無を調べる際に必要となる費用。表層検査:約30万円
確認申請・完了検査費用建物が法的に適正であることを、役所や審査機関が審査する際に必要となる費用。約10~30万円

保育園運営のための初期費用

園舎が完成したのち、4月の開園前には、備品購入費用と、引っ越し費用が必要となります。

おもちゃやロッカー等の備品は、ほぼ全てが開園時から必要です。備品の項目数はとても多いですが、1つ1つ集計することで正確な金額が掴めます。また購入ではなくリースを利用できるものがあれば、初期費用を削減できます。

引っ越し費用については、まず現園舎から続行使用するものと、しないものの区別から始めると効率的です。

続行使用し新園に持っていくものは、引越し業者に伝え費用の見積を取ります。一方、続行使用せず廃棄するものは、引き取り業者に見積を依頼すると、費用がはっきりすると同時に、新園舎の構想をつくることの手助けにもなります。

また、厨房機器を移設する場合、移動の期間は給食をつくることができませんので、給食への対応方法の検討も必要となります。

項目概要費用の目安
備品購入費子どもや職員が使用する備品・消耗品代。子ども用としては、おもちゃ・整理棚・絵本・コット・衛生用品など。職員用としては、パソコン・コピー機・ロッカー・冷蔵庫・机・椅子など約300万円
引っ越し費用備品等の引っ越しに必要となる費用。備品だけでなく、設備機器の移設の有無についても検討が必要約50万円

資金

保育園・認定こども園の開園資金には、補助金や助成金を活用することが可能です。自己資金をベースにしながらも、申請可能な補助金・助成金をフルにご利用することで、スムーズな資金計画に繋がります。

助成金については、建物や内装で使用する木材への助成金もあります。個々の助成金額が多くなくても、複数の助成金を利用すれば大きな補助金額になります。

項目概要
自己資金法人として園舎建設に使うことができる財源
安心こども基金(国)国から交付された交付金を財源に、都道府県において基金を造成し、保育所整備等への補助を行う
自治体からの交付金施設整備費として自治体が補助する
自治体の助成金追加措置(有無)上記交付金の追加措置がある場合
医療福祉機構からの借入社会福祉法人などへの貸付事業
金融機関からの借入関係金融機関からの融資を受ける
寄付金法人の関係者や保護者から募る寄付金

上記のほか、太陽光発電の設置など特殊付帯工事への助成金や、使用木材への補助金を受けられる場合があります。自治体によっては、土地借料や解説準備のための補助金・助成金の加算が行われる場合もありますので、事前に自治体に確認するようにしましょう。

保育園・認定こども園の計画で、教育理念やこだわりを実現するための6つのポイント

保育園・認定こども園の建設費を配慮したうえで、教育理念やこだわりを実現した特徴のある園舎を建設するためには、保育理念を実現するために費用を掛ける場所と、費用を抑える場所の両方を考える必要があります。

教育理念に配慮した仕上げ材料も、使う面積を限定することで、大きな増額につながらないケースも多くあります。実現したいこだわりの想いを持ちながらも、こだわり以外の部分の費用を抑え、「こだわりの優先順位」を付けることで、新園舎の像が少しずつ見えてきます。

ここでは、保育園・認定こども園を計画する際、こだわりを実現するために確認すべき6つのポイントを紹介します。

ポイント1:大きな保育室に加え、小さな居場所をつくる

小さな空間をつくることは、大きな増額には繋がりません。長さ1m程度の壁を2枚立て、少し低い高さに天井を貼れば出来上がります。

子どもは小さな空間が大好きです。広間の様な保育室の一部に少しだけ囲われた空間を作ることで、子どもが過ごす場所の選択肢が増えます。
天井吊りの収納がある場合は、収納下の天井高が低くなりますので、そこを小空間としてデザインすることもできます。また、階段下の空間を利用することも一案です。天井高を1.7m確保すれば、認可上必要な保育室面積にも算入できます。

保育園の小さな居場所のイメージ
1人になることができる子どものための小さな居場所

ポイント2:異なる年齢の交流ができるスペースをつくる

異なる年齢のお友達と交流を持つことで、知らない事を教わったり、小さなお友達への優しさを育むことにつながります。

例えば保育室と保育室の間に、絵や工作を行う創作室を作ることで、異なる年齢の子どもたちが一緒に工作をすることができます。製作途中の工作や大きな絵もそのまま置いておけます。20㎡(約7坪)ほどあれば十分です。

建設費用は小さな部屋1室分増えますが、手洗い等の設備工事費用は掛かりませんし、床材もフローリングではなく、むしろ安価なビニール系の床材の方が、絵や工作による汚れには都合が良いとも言えます。子どもにとってはかけがえのない交流ができる場所になります。

異なる年齢の子どもが交流できる保育室
異年齢の子どもが交流でき、みんなで使うことができる遊び部屋

ポイント3:きれいでゆとりのあるトイレ周りに仕上げる

水回り空間をきれいなタイルで飾る事をお勧めします。タイルは壁紙クロスより高価ですが、タイルを貼る面積は広範囲ではありませんので、大きな金額増にはなりません。水周りは子どもにとって保育室と同等に重要です。

トイレ空間を嫌いにならないことはトイレトレーニングに繋がり、子どもの発育に寄与するだけでなく、職員の労働の軽減にも繋がります。

水回り空間を「飾る」程度の小面積でも雰囲気は大きく変わり、費用対効果としては十分あると考えます。

清潔感のある保育園のトイレのイメージ
タイルで飾った清潔感のある水回り空間

ポイント4:立体的な遊具を園舎内に設ける

階段を登ったり降りたり、立体的に動き回れる大型遊具は、子どもたちの好奇心をかき立て、積極的な動きを誘発します。天井高の高い部屋があれば、そこに階段付きの遊具を置くことができます。いわば「小さなお家」です。

既製品の大型遊具ではなく、オーダーメイドでデザイン、製作をすれば、保育室の形や大きさに合った遊具を作れますし、他園にはない特徴を出すことができます。

保育園の立体遊具のイメージ
子どもの好奇心をかき立てる園舎内の立体遊具

ポイント5:初期費用を抑える視点だけでなく、ランニングコストに配慮した材料の選定をする

工事費の削減を目的にしてしまうことが多くありますが、初期費用を抑えたことで、長期運営の中で色々な改修費用が発生する場合があります。そのため、長期的な視点で、ランニングコストに配慮した建設費の使い方を考慮する必要があります。

開園以降に改修が必要になった場合、工事を平日に行うことは運営上とても困難です。そうなると休日工事による職員の手当など、工事費以外の費用が発生するケースも考えられます。少し安くしたことが、後で何倍もの改修費用になる場合もあります。

また、短い期間で建設工事を行うと良いことがありません。荒い施工品質を強いることになります。一歩早めのスケジュールを組むことは、修繕費を抑えることにもつながります。

ランニングコストに配慮して丈夫で壊れにくい内装仕様や材料を選定することで、長期的な視点での費用を抑えることができます。そのために、保育園の園舎を建設費と合わせて適切に計画することが重要です。

ポイント6:施設整備・建設が対象となる補助金をフルに活用する

保育園・認定こども園の開園資金には、補助金や助成金を活用することができます。安心こども基金や、自治体の整備助成金の他にも、使用木材や、太陽光発電の助成金もあります。

一見、各々は少額に見えますが、積み重ねると大きな金額を助成できます。多少の手続きはもちろんありますが、助成対象の商品のメーカーや設置会社が、手続きのノウハウや書類作成を援助をしてくれる場合もありますので、ひと手間かかりますが、申請する価値はあります。

office EAでは、保育園の園舎建設に関する各種助成金の手続きを支援しています。新しく保育園・認定こども園の開園・建設をお考えの事業者の方など、助成金・補助金に関するお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

事例紹介1:鉄骨造1,000㎡の社会福祉法人の設計料・工事費用・坪単価

保育園・認定こども園の建設費と、教育理念やこだわりを実現した工夫の具体例の1つとして、office EAが計画した仮設園舎の建設費を最小限に抑える工夫をした保育園の事例を紹介します。

一般的に、旧園舎の場所に新園舎を新築しようとすると、全園児を受け入れるために、旧園舎と同じ規模の大きな仮園舎が必要となります。

この保育園では、旧園舎のほんの一部だけを解体することにしました。解体した面積分だけの、小さなプレハブを仮園舎としてレンタルすることで、仮園舎の建設費用を最小限に抑えることができました。仮園舎の規模を小さくすることで、建設費の総額を抑えることができます。

仮園舎に多くの費用を掛けないことにより、坪単価が約132万円となり、首都圏の保育園の建設費の坪単価の平均である約140万円と比べ、相場以下の坪単価で園舎が完成しました。

また、新園舎の配置計画としては、解体した場所と園庭部分を上手に使うことで、東と南に向いた最適な配置が実現しました。旧園舎の一部のみを解体することで、現状の保育運営を続行可能としながら、新園舎の建設を進めることができました。

1,000㎡の園舎の建設費の内訳

項目費用
土地取得費用0円  (賃借)
建物の本体総工事費用(仮園舎の建設費を含む)4億円(坪単価:約132万円)
(内訳)建築工事費  2億5,000万円
    内装工事費  6,000万円
    設備工事費  9,000万円
外構費用(外構・園庭面積:2100㎡)1,500万円
解体費用1,000万円

事例紹介2:RC造1,300㎡の社会福祉法人の設計料・工事費用・坪単価

廊下面積を最小限にすることで、その廊下面積分の建設費を、こだわりの部屋の建設費にまわした保育園を紹介します。

多くの保育園・認定こども園では、年齢ごとに子どもたちを保育するため、保育室も年齢ごとに分かれています。その場合、保育士や子どもたちが行き来するために、保育室同士をつなぐ廊下が必要になります。

廊下も保育室同様に建設費が掛かります。一般的にこの規模の保育園では廊下が100㎡程度必要となります。工事費に換算すると約4000万円が廊下の工事費になります。

一方で、子どもたちが年齢を越えて学び合い、社会性や協調性を育むことを目的に、さまざまな年齢の子どもでクラスをつくり一緒に保育を行う方針(異年齢保育、縦割り保育、混合保育)の保育園もあります。

この場合、保育室を年齢ごとに区分けする必要がなくなり、数が少なくなるため、廊下の面積を減らすことが可能になります。廊下の面積を減らす分、廊下のための建設費を、保育室やこだわりの部屋にあて、建設費の拡充をすることができます。

この保育園では、廊下面積の約8割を削減することで、その分の建設費を、みんなが集まる絵本コーナーや広いランチルームなどの交流の場所の建設に回すことができました。

結果として、相場よりも安い工事費で、特徴のある豊かな保育園舎をつくる事ができました。

1,300㎡の園舎の建設費の内訳

項目費用
土地取得費用0円 ( 賃借)
建物本体の総工事費用3億7,000万円(坪単価:95.7万円)
(内訳)建築工事費  2億円
    内装工事費  8,000万円
    設備工事費  9,000万円
外構費用(外構・園庭面積:370㎡)700万円

事例紹介3:500㎡のビルイン保育園の設計料・工事費用・坪単価

既存建物のテナントとして入ることによって建物自体の建設費を不要とした保育園を紹介します。

新しく保育園・認定こども園の園舎を建設する場合、建物の構造体、内装、外装、外構などに建設費が発生します。一方で、既存の建物の1室を借りて保育園を運営する場合は、内装費用以外の工事費が不要となります。

外構部分も必要工事費外となるため、、多くの費用を抑えることができます。今回の事例では、不要となった分の費用を内装費にあてることで、設備や素材の充実を図ることができました。

このようなビルインの場合には、初期の建設費用は抑えられますが、月々の賃借料が運営費に加算されることになりますので、注意しましょう。

500㎡のビルイン園舎の建設費の内訳

項目費用
土地取得費用0円  (ビル内テナントとして賃借)
建物本体の総工事費用9,800万円
(内訳)建築工事費  0円(既存建物あり)
    内装工事費  4,800万円
    設備工事費  5,000万円
外構費用(外構なし)0円

保育園の建設費の優先順位を決め、教育理念やこだわりの実現につなげよう

保育園・認定こども園の建設費は、さまざまな費用が発生するため、開園資金の予算を把握するために全体像や相場を把握する必要があります。

保育園の建設費の目安や内容を理解することで、費用を投じる優先順位を決め、保育園の教育理念やこだわりを実現するために必要な部分に重点的に予算をかけることができます。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 保育園の建設費は、園舎を建設、またはビル内のテナントとして内装を工事する費用のこと
  • 保育園の建設費の相場・目安は、首都圏の平均は坪単価約140万円だが、2割程度プラスすることで教育理念やこだわりの実現につながる
  • 保育園の開園には、建物の建設費用のほか、不動産取得費や宣伝広告費、建て替えの場合の仮園舎の費用や解体費用などが発生する
  • 保育園の開園には、行政等の補助金のほか、使用木材や設備に対する助成金を活用できる
  • 保育園の建設費で費用を投じる優先順位を決めることで、教育理念やこだわりの実現につなげることができる

office EAは、保育園・認定こども園の運営・経営の悩みや課題に寄り添い、教育理念やこだわりの実現をサポートいたします。保育園の資金計画、補助金の申請など、保育園の建設費に関してお困りの方は、お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください